Red Hat Enterprise Linux for SAP Solutions ーE4Sー

RHEL for SAP Solutions での特別なアップデートサポート(Update Services for SAP Solutions)

レッドハット ソリューションアーキテクト石倉です。

今回は RHEL for SAP Solutions のアップデートサポートに関して紹介します。

Red Hat Enterprise Linux では原則、機能拡張や不具合の対応は最新バージョンのみに対して行われます。

アップデートの重要性、また、アップデートの際に有効な考え方など、以下のブログも合わせてご確認下さい。

Red Hat Enterprise Linuxを定期的にアップデートする - 赤帽エンジニアブログ

一方、全てのシステムがリアルタイムにアップデートが出来れば問題は無いのですが、システム特性によってはアップデート作業に伴う検証などに時間がかかるシステムも少なからず存在すると思います。 そのような性質のシステムに対して、レッドハットは延長アップデートサポート (Extended Update Support(EUS)) という名前で、Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションのオプションサービスを提供しています。 このサービスは、特定のマイナーリリースに対して、最長約24ヶ月のRed Hat Enterprise Linux のマイナーリリースに提供される重大な影響を与えるセキュリティアップデートと、緊急優先度のバグ修正に関するバックポートを提供するものです。

このサービスを利用する事で、サポート期間が重複している期間中に、計画的にアップデートを実施する事が可能になります。

EUSの詳細な考え方や、具体的な活用方法については、以下のKnowledgebaseもご確認下さい。

延長アップデートサポート (EUS) の標準オペレーティング環境 (SOE) のガイド - Red Hat Customer Portal

アップデート作業に伴う検証などに時間がかかるという点では、企業システムの中核となる、基幹系システムであればなおさら問題になると思います。 レッドハットとしても、より長いアップデートサポートを提供出来るよう、RHEL for SAP Solutionsでは、Update Services for SAP Solutions (E4S)という名前で、EUSに追加して更に約24ヶ月の延長、合計48ヶ月の、重大な影響を与えるセキュリティアップデートと、緊急優先度のバグ修正に関するバックポートを提供しています。

E4Sを有効に活用頂く事で、EUSより更に柔軟なアップデートプランの検討が可能になります。

https://access.redhat.com/sites/default/files/images/rhel_8_life_cycle_8_0620_planning_0.png

引用元: Red Hat Enterprise Linux Life Cycle - Red Hat Customer Portal

現時点の予定では、例えば来年以降で開発環境から順次新システムの導入を検討されている場合、RHEL for SAP Solutions8.4で導入を進め、2024年〜2025年の期間でRHEL for SAP Solutions8.10へのマイナーアップデートを実施する事で、2029年5月までの長期の利用が可能な形となります。



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レッドハット ソリューションアーキテクト石倉

* 各記事は著者の見解によるものでありその所属組織を代表する公式なものではありません。その内容については非公式見解を含みます。