5/18に、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)として8番目のリリース、RHEL9がリリースされました!! 5/11のRed Hat Summitでの発表から1週間ほど後のリリースでした。みなさんすでにチェック済でしょうか?
えっもうRHEL9でたの!? 早くない??
という反応をチラホラお見受けします。そう思われた方は鋭いです。そうなんです。RHEL8のリリースから、「メジャーバージョンのリリースは3年ごと、マイナーリリースは6ヶ月ごとに行う」というリリースモデルを定めるようになり、RHEL9はそのメジャーバージョンのリリースは3年
のルールに従ってリリースされた初めてのRHELということになります。
過去のものも含め、RHELの各バージョンのリリース日はここで確認することができます。
前回、RHEL7.0のリリース(2014/06/09)からRHEL8.0のリリース(2019/05/07)の間はおおよそ5年弱(!)でしたから、今回のリリースはとても早く思われるのも当然です。これからは、新しいリリーススケジュールでRHELの新しいバージョンがリリースされていきますので、皆さんついてきてください!! :)
CentOS Streamで開発、リリースされる初めてのRHEL
また、RHEL9は、CentOS Streamをベースに開発し、リリースされた最初のRHELでもあります。CentOS Stream 9の開発はオープンな場所で行われ、RHEL9のリリース前にRed Hatの開発チームではない外部のコントリビューターの方々からのフィードバックが製品に取りこまれています。Red Hat Summitのトークセッション「Ask the experts anything about Red Hat Enterprise Linux 9」でCentOS StreamとRHEL9の話がされていますので、登録してオンデマンド配信(日本語字幕つき)ををぜひチェックしてみてください!!
ちなみに、セッションのリンクはこちらです
Red Hat Summit 2022 - Ask the experts anything about Red Hat Enterprise Linux 9
早速RHEL9を堪能しよう!!
さて、RHEL9の始め方は人によって様々だと思いますので、目的別に始め方をご紹介します。あなたのRHEL9はどこから?
何はともあれドキュメントを確認したい
どんな新機能や変更点があるかを眺めてニヤニヤしたい方は、まずリリースノートがオススメです。いきなり動かしてアレができない!!みたいなことが起きるのを避けたい慎重派の方にもオススメです!!
個人的には、将来のC ABI互換性維持のためにこのタイミングでupstreamのベースバージョンであるFedora 34から一歩進んでglibc2.34を入れたところが、長期サポートするRHELならではのポイントなのですがあまり伝わりませんよね。わかります。
ライフサイクルもこちらで確認しておくとよいです
RHEL8から登場したApplication Streamsリポジトリにあるパッケージのライフサイクルはこちら
isoイメージがDVDメディアのサイズを超えているかどうか確かめたい
これもちょこちょこ反応ありましたね... RHELのisoイメージがどんどん大きくなる昨今ですが、さっそくイメージをダウンロードしたい方はこちらへどうぞ!!
もちろん、従来通りカスタマーポータルのProduct Downloadsからでも入手できます。qcow2の仮想マシンイメージなどもこちらから。個人で試してみたいけどサブスクリプションがないよーという方は、ぜひDeveloper Subsicription for Individualsを取得してください。個人の開発目的で、最大16台までRHELが無償で使えます。登録から20分くらいでお使いのRed Hat IDにサブスクリプションが付与されます。
さて、上記のダウンロードページを見ると、Boot iso
という、サイズの小さなisoイメージがあるのにお気づきかと思います。昔からRHELをインストールされている方は「知ってるよ、NFSサーバとかにDVD isoのイメージを展開しておいてインストールできるやつでしょ?」とすぐに用途がわかるかもしれません。しかし実は、RHEL8.4以降、そしてRHEL9では、Red Hat ID とサブスクリプションを持っていて、インターネットに接続できるなら、anacondaインストーラーの中でRed Hat IDでログインして、Red Hat CDNからインストールに必要なパッケージだけをダウンロード、インストールすることが可能になっています。DVDメディアに収まらないほどのコンテンツを全部ダウンロードしなくても大丈夫です!!
コンテナ大好きなのでコンテナで試したい
RHEL9ベースのUniversal Base Image(UBI)もリリースされています。RHELでは Universal Base Imageという、RHELのサブセットコンポーネントで作られている、再配布可能なコンテナイメージを提供しています。Red Hatのコンテナレジストリや、DockerHubから入手可能です。
「UBIって何?」という方は、こちらの資料もご覧ください。
パブリッククラウドが大好きなので(略
認定クラウドプロバイダー様の認定イメージは順次提供されていきます。提供されしだいアップデートします。 Cloud Accessをお使いで、イメージを自分で用意して動かしたいよ、という方は、Red Hat SummitでGAになった、Red Hat Open Hybrid Consoleの新機能Image Builder Serviceからイメージを作ってプロビジョニングしてみてください!!
俺はそのさらに先に行く...止めるな
RHEL9.0がリリースされましたので、CentOS Stream 9は次のRHEL9のマイナーリリースである9.1に向かって走り始めています。RHEL9.0と併せて、違いがどのくらいあるのか見るなどしてみてはいかがでしょうか? CentOS StreamでRHELの開発への参加、お待ちしていますよ!!
他にもRHEL9についての色々なポイントを記事にしていきますのでお楽しみに!! ではでは、ソリューションアーキテクトの橋本(id:kenya888)がお届けしました。皆さんRHEL9をエンジョイしてください!!