Red Hatの平です。オンプレミス以外にクラウドプロバイダーが提供する従量課金のRHELがあります。 Red Hat製品を正規に動かすことができるクラウドプロバイダーは、Red Hat認定クラウド&サービスプロバイダーのカタログ からご確認頂けます。
今回はIBM Cloud上でRHEL7を使うまでの方法をご紹介していきます。
前提条件
- RHEL7を使ったことがある
- IBM IDを持っている
- IBM Cloud 従量課金制(PAYG)アカウントで使っている
- SSHクライアントがインストールされている
- SSHの公開鍵を作ってある
IBM Cloud上ではRHELが含まれたVirtual Serverとして提供されます。 この場合、RHELはIBM社から提供され、Virtual Serverのリソースと一緒に時間単位で課金が行われます。 つまり、極端な話、Red HatからRHELを1本も買っていなくてもOK。
- IBM Cloudダッシュボードにアクセスし、「カタログ」に移ります。 https://console.bluemix.net/dashboard/
- コンピュートのカテゴリの「Virtual Server」を選択します。
- Virtual Serverの種類から「Public Virtual Server」を選択し、「Continue」をクリックします。
- パブリック・インスタンスのホスト名とドメイン名を任意の情報を入力して、プロファイルは「平衡型B1 2x4」あたりを選んでください。そしてイメージのアイコンでRed Hatのロゴをクリックします。ディスクは25GBと100GBから選べますが25GBで足りるでしょう。
- ネットワーク・インターフェースの設定のパブリック・プライベート・セキュリティーで「allow_outband」と「allow_ssh」をチェックし、プライベート・セキュリティー・グループでに「allow_outband」と「allow_all」をチェックします。 ※これらの「allow_outband」を忘れた場合、ログイン後に外にパケットが出せずに、実質的に何もできません。
- 最後にサード・パーティー・サービス契約を読んでチェックを入れて、プロビジョニングをクリックしてください。
- プロビジョニング後、5分〜10分後ぐらいに利用可能になります。Virtual Serverの情報を確認し、IPアドレスを調べます。Devicesの一覧で「PUBLIC IP」が外部からアクセスできるIPアドレスです。https://control.bluemix.net/devices
- SSHクライアントから接続します。その際に接続するためのユーザーは root です。rootパスワードが自動で割り振られていますのでログイン後すぐにパスワード認証を無効化する事をおすすめします。
$ ssh root@123.xxx.yyy.zzz [root@rhel7 ~]# free -m total used free shared buff/cache available Mem: 3784 99 2525 8 1159 3427 Swap: 2047 0 2047
IBM Cloud上のRHEL7は最低限のサービスしか起動していないため、メモリーは100MB程度しか消費していません。 /dev/xvda がブートディスク、/dev/xvdb がスワップ領域専用ディスクとなっています。
[root@rhel7 ~]# df -h Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/xvda2 25G 2.0G 22G 9% / devtmpfs 1.9G 0 1.9G 0% /dev tmpfs 1.9G 0 1.9G 0% /dev/shm tmpfs 1.9G 8.6M 1.9G 1% /run tmpfs 1.9G 0 1.9G 0% /sys/fs/cgroup /dev/xvda1 240M 129M 99M 57% /boot tmpfs 379M 0 379M 0% /run/user/0
なお、搭載メモリーが1GB未満のVirtual Serverの場合、yum コマンドを実行した時などにスワップ領域を使い始めるので現実的ではありません。 ケチってイライラしないように「平衡型B1 2x4」くらいを使ってください。RHELの利用料金込みで1時間あたり20円程度です。
アップデートサーバー
IBM CloudのVirtual Server上のRHEL7はRed Hat Satelliteというアップデートサーバーで管理されています。なおアクティベーションは自動で行われています。 「katello-ca-consumer-rhnsatdal0601.service.networklayer.com.noarch」を削除するとアップデートサーバーと疎通ができなくなりますのでご注意ください。 リポジトリを有効化させたい場合には、オンプレのRHEL7と同じく subscription-manager コマンドを実行します。例えば、rhel-7-server-extras-rpms リポジトリを有効化する場合には次のように実行します。
[root@rhel7 ~]# subscription-manager repos --enable rhel-7-server-extras-rpms Repository 'rhel-7-server-extras-rpms' is enabled for this system. [root@rhel7 ~]# # yum info ansible Loaded plugins: product-id, search-disabled-repos, subscription-manager Available Packages Name : ansible Arch : noarch Version : 2.4.2.0 Release : 2.el7 Size : 7.6 M Repo : rhel-7-server-extras-rpms/x86_64 Summary : SSH-based configuration management, deployment, and task execution system URL : http://ansible.com License : GPLv3+ Description : : Ansible is a radically simple model-driven configuration management, : multi-node deployment, and remote task execution system. Ansible works : over SSH and does not require any software or daemons to be installed : on remote nodes. Extension modules can be written in any language and : are transferred to managed machines automatically.