自己学習型OpenShiftハンズオン環境のご紹介

Cloud製品を担当しているソリューションアーキテクトの輿水です。

OpenShift Advent Calendar 2022の12/22の記事です。

以前 All learning | Red Hat Developerというサイトにハンズオン(英語)があることをご紹介しましたが、その一部を日本語に翻訳し、手軽に試せる自己学習型OpenShiftハンズオン環境として提供し始めました。非公式ではありますが、使っているプラットフォームとコンテンツは公式と同じですので、同等の内容を学ぶことができます。

rheb.hatenablog.com

ハンズオンを行うために、ご用意いただくのはブラウザ(Firefox,Chrome)のみです。指定のURLにアクセスしコースをlaunchすると、環境がデプロイされて、OpenShiftの演習とターミナルがセットされた環境が使用可能になります。コースをlaunchするためにアカウントを作る必要はありません。このハンズオンの長所と短所は以下の通りで、Developer Sandbox for Red Hat OpenShiftのように同じ環境を長期間継続して使えるものではなく、単発のものです。しかしながら、何度でも使えるので1回目はただただコピペで進む、2回目は自分でコマンド実行など繰り返し学習することができます。

  • 長所

    • ブラウザ(Firefox,Chrome)があれば試せる
    • アカウント作成不要
    • コマンドはコピー&ペースト可能
    • admin権限あり
    • 何度でも実施可能
  • 短所

    • 都度デプロイするので、環境が準備されるまで多少待つ必要がある(10〜30分程度)
    • 環境は一定時間が経過すると自動的に削除される
    • 削除された後、再度デプロイしても、それまでに行った操作は保存されていない(新しい環境になる)

学習コースの内容は、まだほとんどOpenShiftを触ったことがない初学者向けで、CLIやGUIを利用してOpenShiftの基本的な操作を手順通りに実行してゆくものです。


それでは、現在用意されているコース内容を簡単に説明します。各コースへのリンクは下記のgithubにあります。

OpenShiftハンズオンへようこそ github.com

基本的な操作とアプリケーションのデプロイ方法

OpenShiftクラスタにOpenShift Command Line Tool(ocコマンド)とWebコンソールでログインするところから始め、CLIやGUIでのプロジェクトの作成、イメージやソースを利用してアプリケーションをデプロイする方法を学びます。デプロイされたアプリケーションの外部公開を行って実際にアプリケーションにアクセスします。また、ひとつのプロジェクトを複数のユーザーで共同利用する方法も実施します。

Login to an OpenShift cluster (Japanese)

  • 概要:OpenShiftクラスターにログインしてユーザーの操作を行います
    • OpenShiftクラスタのWebコンソールURLを調べてアクセス
    • OpenShift Command Line Tool(ocコマンド)の利用
    • OpenShiftの新規ユーザー作成と権限付与
    • ユーザーの切替

Getting Started with OpenShift for Developers (Japanese)

  • 概要:OpenShift環境で既存のイメージを利用してアプリケーションをデプロイします
    • ocコマンドでOpenShiftクラスタにアクセス
    • WebコンソールでOpenShiftクラスタにアクセス
    • 既存のイメージを利用してアプリケーションをデプロイ
    • デプロイしたアプリケーションをスケール
    • OpenShift Routeを利用して外部に公開されたURLにアクセス

Deploying Applications From Source (Japanese)

  • 概要:OpenShift環境でソースをビルドしてアプリケーションをデプロイします
    • ocコマンドを利用してプロジェクトを作成、Webコンソールで確認
    • Webコンソールを利用してソースからblogアプリをビルド&デプロイ
    • Webコンソールでアプリのログを確認
    • 外部に公開されたURLにアクセスしアプリの確認
    • アプリの削除
    • ocコマンドでアプリを再度デプロイ
    • ビルドトリガーの設定

GitOps

Gitリポジトリに置かれたコードをSingle Source of Truthとみなし、コードとインフラを常に同じ状態に保つ運用のベストプラクティスをGitOpsと呼びます。Cloud NativeなGitOps継続的デリバリーツールArgo CDを利用して、OpenShiftでのどのように動作するかを体験します。また、Kubernetesのマニフェスト管理ツールであるKustomizeやKubernetesアプリケーションのパッケージマネージャーであるHelmと統合した場合の動作を体験できます。

Getting Started with ArgoCD and OpenShift GitOps Operator (Japanese)

  • 概要:OpenShiftのGitOpsを体験します
    • OpenShiftのGitOpsについて
    • OpenShift GitOps Operatorのインストール
    • Argo CDインスタンスにCLIとGUIを用いて接続する
    • サンプルアプリケーションをデプロイ
    • Gitで変更を行った内容がアプリに反映されることを確認

Working with Kustomize (Japanese)/Working with Helm (Japanese)

  • 概要:Argo CDとKustomize / Helmの統合
    • Kustomize / Helmについて
    • Kustomizedアプリケーションをデプロイする
    • Helmチャートをデプロイする

Pipeline

OpenShift Pipelines はTektonを使用してパイプラインを構築するための、Cloud Nativeな継続的CI/CDソリューションです。PVを持つbackendとfrontendからなる投票アプリケーションのデプロイを通して、OpenShiftでのどのように動作するかを体験します。

Getting Started with OpenShift Pipelines (Japanese)

  • 概要:OpenShift Pipelinesを使用してアプリケーションのデプロイを自動化する方法
    • OpenShift Pipelines Operatorをインストール
    • サンプルTaskを作成
    • Taskリソース定義
    • Tekton Pipelineを作成
    • frontend と backend からなる投票アプリケーションをデプロイ

Serverless

Getting Started with OpenShift Serverless (Japanese)

  • 概要:Cloud Nativeな開発モデルを提供するOpenShift Serverlessの基本的な使用方法
    • OpenShift Serverlessのserviceをデプロイ
    • 複数のrevisionsをデプロイ
    • Serverless serviceの基本コンポーネントについて
    • Serverlessがscale-to-zeroを可能にする方法
    • canary および blue-green デプロイメント
    • knative client の利用

Playground

Playgrounds OpenShift 4.11 (Japanese)

  • 概要:決まった演習項目はなく、自由に試すための環境

現時点では、コース内容は初学者向けで「ざっくり体験する」レベルのものが多いですが、今後、様々なコースを拡充してゆく予定です。また、定期的に「もくもく会」と称して、あらかじめデプロイした環境をpoolしておき、待ち時間なしにコースが始められ、かつQ&A可能な会を行っております。connpassでお知らせしておりますので、お時間が合えばご参加ください(※12/22時点では次の開催のご案内はありません)

openshift.connpass.com

Red Hat製品を無料で試してみよう

この自己学習型OpenShiftハンズオン環境意外にも、Red Hat製品を無料でトライできる方法があり、次のblogにまとまってますので、ぜひ、こちらも参照ください。

rheb.hatenablog.com

お知らせ

2023/01/27に「OpenShift.Run 2023 冬の陣」を開催します。

OpenShift.Runは、OpenShiftやKubernetes、クラウドネイティブテクノロジーに関わる知見や運用ノウハウなどを共有し合う話です。と同時に、お祭り感覚で飲みながらラフに楽しんで頂く場です。connpassで参加募集始まりました。ぜひご参加ください。登壇者も募集してます。

openshift.connpass.com

* 各記事は著者の見解によるものでありその所属組織を代表する公式なものではありません。その内容については非公式見解を含みます。