Fedoraで動画編集(2018年)

Red Hatの森若です。

最近、製品デモなどの動画を作ってyoutubeに置いています。その中でFedoraで動画キャプチャや編集をする際に使う道具や注意点をまとめました。

ハード編

ディスプレイ

最初から動画サイズにあわせたディスプレイを利用してディスプレイ全体を録画すると録画・編集時に手間が少なくてよい。 ノートPCのディスプレイサイズが合わない場合には外付けディスプレイをつける。

解像度について、Web UIなどのデモにはフルHDの画面で画面全体を撮影するとちょうど良い。 1366x768でも動画の品質としては十分だがUI要素が横にはみだしてしまうケースが多い。

マイク

  • USBオーディオのヘッドセットを使うとアナログ入力のマイクよりあからさまにノイズが減るので良い。
  • USBオーディオはFedora 28のpulseaudioで問題なく使える。

自分が利用したのはこれ。1400円くらい。 https://www.amazon.co.jp/gp/product/B009PDK6Q6/

録音場所

録音は会社の電話ブースで行った。外の声はうっすら入るものの何を言っているかはわからない程度で良好に録音できる。

ソフト編

マウスカーソルサイズ設定

デモのGUI操作を視認しやすくするため、利用しているデスクトップ環境でマウスカーソルのサイズを大きくする。 GNOMEだと以下メニューでカーソルのサイズを変更できる。

  • Settings → Universal Access → Seeing → Cursor Size
  • または gsettings set org.gnome.desktop.interface cursor-size 48

動画キャプチャ

動画キャプチャにはvokoscreenを利用する。マウスクリックの表示や音声の同時録音に対応している。pulseaudioの音声入力ソースを明示的に選べるのでUSBマイクで録音したつもりがノートPC内蔵マイクで録音していたという事故の不安がない。

rpmfusionのリポジトリを有効にして# dnf install vokoscreenで導入、$ vokoscreen で起動、必要に応じて"Showclick"をチェックしてマウスのクリックを表示させたり音声入力元をえらんで録画。

動画編集

動画編集にはShotcutを使う。2-3時間の練習は必要だがそれを越えれば簡単に使えて比較的安定した動画エディタ。 rpmfusionのリポジトリを有効にして # dnf install shotcut

Shotcut - Tutorial Videos にあるチュートリアルビデオを眺めるとだいたい使い方がわかる。

ExportするときにYoutube用プロファイルがあるのでそれで出力する。動画サイズは大きくなるがYoutubeで再エンコードしてくれるので気にしない。

以下の記事によく使うショートカットキーの説明がまとまっていて便利。

音量のノーマライズ

Shotcutの Normalize: One Pass はclipの切れ目で大音量になるので注意。編集前の素材をNormalize: two passで -23LUFSにノーマライズした動画を一旦作成してから切り貼りする方が結果が良好。

キーボード入力を画面上にオーバーレイで表示

1920x1080(16:9)で録った動画の端を切って1440:1080(4:3)にする

スライドをもとにした動画で、スライドが4:3の時にぴったりサイズの動画にするために両端のレターボックスを切りとりたいときはffmpegで変換するのが手っ取り早い。

$ ffmpeg -i input.mp4 -vf crop=1440:1080:240:0 -c:a copy output.mp4

音声の入れかた

いろいろやってみましたが一長一短。

  • デモをしながら喋る
    • デモと喋りを一発で完璧にできるなら凄く手っ取り早い。
    • 編集すると背景音のズレが発生するためやや気になる。
    • キーボードのタイプ音、マウスのクリック音、喋りが同期してデモに臨場感がでる。
  • 無音デモ動画を作りきってから後で録音する
    • デモ録画を机でできるため繰り返しと動画編集が楽にできる。
    • 喋りはナレーション的になりがち。
  • 音を入れずに字幕で説明する
    • オフィスで音声なしで見る人を想定すると字幕は入れたい。
    • 探した範囲のツールでは字幕を複数行に分割したりふたたび繋げたりに手間がかかり、編集に時間がかかりすぎるので今のところできていない。
    • 十分作り込まれた字幕エディタがあれば実用的かもしれない。

録音しながら何か失敗した時には1秒くらい黙って編集点を作ってからやりなおすと編集時に楽です。

* 各記事は著者の見解によるものでありその所属組織を代表する公式なものではありません。その内容については非公式見解を含みます。