Red Hatの森若です。
Red Hat Enterprise Linux 8 の Public Betaがリリースされました。 今回はこのPublic Betaの位置づけや、ユーザ目線での活用について見ていきます。
Public Betaの位置づけ
まずはPublic Betaの位置づけですが、製品出荷前にテスト目的で出荷されるバージョンです。
- 機能セットとしてはおおむね出荷予定の製品に近い内容です
- サポート対象とはなりません
- 機能拡張リクエスト、不具合のレポートなどをサポート窓口で受けつけています
Beta版から製品版へのアップグレードはできませんので「Beta版で構築しておいてあとでアップグレードして製品版にする」というような利用はできません。
ユーザの立場から見たPublic Beta
ユーザの立場でPublic Betaを見ると、以下のような特徴があります。
- 製品がどうなるのか概要がわかる
- 技術へのキャッチアップや動向調査に便利
- 自分の用途で問題がでるか、問題なく利用できるかを確認できる
- Public Betaの期間中に問題をレポートすると、製品出荷後よりも早く製品に反映できる
この中で「早く反映できる」という点は、少し不思議かもしれません。製品出荷後は、機能拡張をできるタイミングがマイナーリリース出荷のタイミングに制限されます。極めて簡単に修正できる問題であっても、レポートの時期によっては次期リリースに間にあわず、2つあとのリリースで反映され、その結果製品にとりこまれるまで1〜2年ほど待つというケースがあります。
Public Betaをどうする?
「RHELが自分にとってどれくらい大事であるか?」 という質問を考えると、何をするべきかという方針が決まるかと思います。
RHELについて「どうでもいい」という人はおそらくここまで読んでいないでしょう。:)
「気になる」人はまずリリースノートを読んでみましょう。RHEL 8の新機能や、RHEL 7まで提供されていたパッケージの置き換え、機能の削除などがまとまっています。
「参加したい」人はPublic Betaをダウンロードして、いろいろ試してみましょう。興味がある新機能があればそこに重点をおいて試します。今社内で利用しているシステムを構築するときと同じように構築してみて、ひっかかる所を深掘りするのもお勧めです。
有効なサブスクリプションを持っていれば、カスタマーポータルのRHEL8 Betaページから申請することでBeta用のサブスクリプションが付与され、ダウンロードやレポートができるようになります。
もしサブスクリプションを持っていなくても、ftpサイトから入手が可能です。 ISOイメージやパッケージのダウンロードについては以下のREADMEに記載されています。 http://ftp.redhat.com/redhat/rhel/rhel-8-beta/README この場合、発見した問題はbugzillaにレポートすることになります。
問題や機能拡張リクエストはどこへ?
実際に触ってみて、問題を発見したり必要な機能が無いことに気付いた場合はどうしましょう?
サポートされるサブスクリプションを持っている場合はサポート窓口までお知らせください。また、カスタマーポータル内のDiscussionsで議論に参加することもできます。
サブスクリプションを持っていない場合は、bugzillaへレポートします。