Cloud製品を担当しているソリューションアーキテクトの輿水です。
OpenShift Advent Calendar 2023の12/3の記事です。昨年も紹介したのですが、今年も紹介します。たぶん濃い内容のエントリーが続いてると思うので、箸休め的にお読みください。
All learning | Red Hat Developerというサイトにハンズオン(英語)があり、その一部を日本語に翻訳して、自己学習型OpenShiftハンズオン環境として提供し始めましたと昨年記事を書きました。1年経過した現在では、翻訳分に加え独自に作成したコースも増えております。
自己学習型OpenShiftハンズオンを行うために、ご用意いただくのはブラウザ(Firefox,Chrome)のみです。指定のURLにアクセスしコースをlaunchすると、環境がデプロイされて、演習内容と操作用ターミナルがセットされた環境が使用可能になります。コースをlaunchするために何かしらのアカウントを作る必要はありません。このハンズオンの長所と短所は以下の通りで、Developer Sandbox for Red Hat OpenShiftのように同じ環境を長期間継続して使えるものではなく、単発のものです。しかしながら、何度でも使えるので1回目はただただコピペで進む、2回目はコマンドの意味を考えつつ実行するなど、繰り返し学習することができます。
長所
- ブラウザ(Firefox,Chrome)があれば試せます
- アカウント作成不要です
- コマンドはコピー&ペースト可能です
- cluster-admin権限あり
- 何度でも実施可能です、回数制限等はありません
短所
- 都度環境をデプロイするので、環境が準備されるまで10〜30分程度待つ必要があります
- 環境は一定時間(殆どの場合60分)が経過すると自動的に削除されます
- 削除された後、再度デプロイしても、それまでに行った操作は保存されません(新しい環境になります)
学習コースの内容は、基本的にまだ殆どOpenShiftを触ったことがない初学者向けで、OpenShiftの基本的な操作を手順通りに実行して、理解を深めてゆく内容になっています。
現在用意されている各ハンズオンへのリンクは下記のgithubにあります。昨年とgithubのレポジトリが変わりまして、今後はこちらが正となります。
OpenShiftハンズオンへようこそ github.com
それではコースの紹介を。
OpenShiftを初めて触る人向けコース
OpenShiftを初めて触る方には以下の4コースがおすすめです。まずこの4コースを学習してから他のコースを試してみることをオススメします。
OpenShiftクラスタにOpenShift Command Line Tool(ocコマンド)とWebコンソールでログインするところから始め、CLIやGUIでのプロジェクトの作成、既存イメージやGithubにあるソースを利用してアプリケーションをデプロイする方法を学びます。デプロイされたアプリケーションの外部公開を行ってインターネット経由でアプリケーションにアクセスします。永続ボリュームを使用するようにデプロイメントを変更し、OpenShiftにおける永続ボリューム(Persistent Volume)の動作について確認します。また、アプリケーションをデプロイする過程で、様々なリソースが作成されるので、リソースの操作方法を学びます。
Deploying Applications From Images (Japanese)
概要:イメージを利用してアプリケーションをデプロイします
- コマンドラインインターフェースを使用してログインし、ocコマンドで新しプロジェクトを作成します
- Webコンソールでログインしてquay.ioにあるイメージを使ってアプリケーションをデプロイします
- Webコンソールでアプリケーションをスケーリングします
- ocコマンドでselectorを利用して特定のラベルを持つリソースを表示します
- ocコマンドでリソースの詳細を表示します
- ocコマンドで再度アプリケーションをイメージからデプロイします
Deploying Applications From Source (Japanese)
概要:ソースからアプリケーションをビルドしてデプロイします
- コマンドラインインターフェースを使用してログインし、ocコマンドで新しプロジェクトを作成します
- Webコンソールでログインして、ソースコードをs2iを利用してビルドし、アプリケーションをデプロイします
- Webコンソールで、アプリケーションのビルドのログを確認します
- 既に実行されているアプリケーションをocコマンドでリビルドします
OpenShift Persistent Volume (Japanese)
概要:OpenShiftの永続ボリュームについて学習します
- ocコマンドで新規プロジェクトを作成し、アプリケーションをデプロイします
- アプリケーションが永続ストレージを利用するよう設定します
- Persistent Volume Clame と Persistent Volumeについて理解します
- 永続ボリュームの動作を確認します
Manage Resource Objects (Japanese)
概要:OpenShiftの様々なリソースオブジェクトについて理解します
- 様々なリソースオブジェクトを表示します
- リソースオブジェクトについて詳細な説明を表示します
- oc editコマンドでリソースオブジェクトを編集します
- oc createでリソースオブジェクトを作成します
- oc replaceとoc patchコマンドについて学びます
- oc labelコマンドでラベルを設定します
- リソースオブジェクトを削除します
その他、 Getting Started と銘打った、ArgoCDやTektonを使ってみるコースも準備しておりますので、お手軽にご利用下さい。
- Login to an OpenShift cluster (Japanese)(OpenShiftクラスター上でのユーザー切り替え)
- 概要: ユーザーの切り替えやロール設定を行います
- Transferring Files in and out of Containers (Japanese)(コンテナとローカルマシン間のファイルのコピー)
- 概要: 実行中のコンテナとローカルマシンの間でファイルをコピーします
- Getting Started with ArgoCD and OpenShift GitOps Operator (Japanese)(ArgoCDを使ってみよう)
- 概要: ArgoCDを利用してOpenShiftのGitOpsを体験します
- Working with Kustomize (Japanese)
- 概要: ArgoCDを利用してKustomizeを利用してアプリケーションをデプロイします
- Working with Helm (Japanese)
- 概要: Argo CDを利用してHelmチャートをデプロイします
- Getting Started with OpenShift Pipelines (Japanese)(Tektonを使ってみよう)
- 概要: OpenShift Pipelines を使用してアプリケーションのデプロイを自動化する方法を学習します
- Getting Started with OpenShift Serverless (Japanese)
- 概要: クラウドネィティブな開発モデルを提供する OpenShift Serverless の使用方法の基本を学習します
その他の諸々コース
現在、OpenShiftではLokiおよびVectorの使用が標準となっています。このコースは従来のElasticSeach、Fluentd、Kibanaを使用する内容ですが、ログ集約の動作を体験するということで提供しています。Fluentdがノードとコンテナのログを収集しElasticSeachに書き込み、Kibanaが視覚化します。管理者権限のあるクラスタを使ってのハンズオンですので、管理者としてOperatorのインストールから実施します。なお、この環境ではモニタリング機能はOFFになっているため、モニタリングは実施できません。
概要:OpenShiftのログ集約機能を体験します
- ロギングの対象となるアプリケーションをデプロイします
- Elasticsearch Operatorをインストールします
- Cluster Logging Operatorをインストールします
- Logging CustomResourceを作成します
- kibanaを利用してログを表示します
Red Hat Service Interconnectを使ったネットワーク構築
他とはちょっと異なるハンズオンで、今年の夏にGAとなりました、L7アドレッシングとルーティングにより異なる環境間でのアプリケーションとサービスの接続を可能にするRed Hat Service Interconnectという製品について体験いただけるコースです。Red Hat Service InterconnectはOSSのskupperに基づいています。
シナリオは、パブリッククラウドのOpenShiftクラスタ上で動作するウェブフロントエンドサービスと、プライベートデータセンターのOpenShiftクラスタ上で動作するPostgreSQLデータベースと決済処理サービスがあり、この間を接続してウェブフロントエンドサービスがPostgreSQLデータベースと決済処理サービスを使えるようにする、という内容です。Red Hat Service Interconnectを使うと「skupperのデプロイ(ルータのイニシャライズ)」「token作成」「tokenを使ってのリンク作成」「公開したいサービスのexpose」のわずか4ステップで実現可能です。
お試し環境を用意するのが面倒そうですが、このハンズオンなら即、体験できます。
このように、地味にコンテンツが増えたりしますので、冒頭に記載したGitHubでたまに確認いただけると幸いです。
お知らせ
12月11日〜12日に開催されるCloudNative Daysのプレイベントとして、ハンズオンWeekが開催されます。その一貫で、上記の自己学習型ハンズオン環境を使ったハンズオンを下記日程で実施します。通常時は、環境のデプロイに20分くらいかかるのですが、このもくもく会では、環境をあらかじめ作成しておき即起動するように準備しておりますので、ストレスなくハンズオンを始められます。この機会に是非ともご参加ください。
▼CNDTスペシャル - OpenShift超基礎編ハンズオンもくもく会 openshift.connpass.com
▼CNDTスペシャル - Red Hat Device Edgeで俺だけの最強のOSイメージを構築! openshift.connpass.com
それでは、ちょっと早いですが、みなさま良いXmasを!