Red Hatの平です。オンプレミス以外にクラウドプロバイダーが提供する従量課金のRHELがあります。 Red Hat製品を正規に動かすことができるクラウドプロバイダーは、Red Hat認定クラウド&サービスプロバイダーのカタログ からご確認頂けます。
今回はAzure上でRHEL7を使うまでの方法をご紹介していきます。
前提条件
- RHEL7を使ったことがある
- Azureのアカウントを持っている
- SSHクライアントがインストールされている
- SSHの公開鍵を作ってある
Azure上ではAzure MarketplaceからRHELが含まれたPay-As-You-Goの仮想マシンとして提供されます。 この場合、RHELはMicrosoft社から提供され、仮想マシンのリソースと一緒に時間単位で課金が行われます。 つまり、極端な話、Red HatからRHELを1本も買っていなくてもOK。
- Azureポータルにアクセスします。https://portal.azure.com/
- Azureポータルのダッシュボードから「Virtual Machines」を選び、「追加」ボタンをクリックします。
- 基本タブで仮想マシン名を入力し、イメージからRed Hat Enterprise Linux 7.4を選択します。サイズは「Standard D2 v3」がデフォルトです。 認証の種類は「パスワード」もしくは「SSH公開キー」の好きな方を選んでください。 パブリック受信ポートは「選択したポートを許可する」を選び、SSHにチェックを入れてください。 とりあえず使うだけであれば、基本タブ以外のタブは何も変更しなくて構いません。 なお、Standard D2 v3の場合に約2分でデプロイされます。
- デプロイ後、仮想マシンの情報を確認し、IPアドレスを調べます。概要のタブの「パブリックIPアドレス」が外部からアクセスできるIPアドレスです。
- SSHクライアントから接続します。
$ ssh cloud-user@123.xxx.yyy.zzz [cloud-user@rhel7d2std ~]$ free -m total used free shared buff/cache available Mem: 7966 235 7572 8 159 7489 Swap: 2047 0 2047
Azure上のRHEL7は最低限のサービスしか起動していないため、メモリーは200MB程度しか消費していません。 なお、搭載メモリーが1GB未満の仮想マシンの場合、yum コマンドを実行した時などにスワップ領域を使い始めるので現実的ではありません。 ケチってイライラしないようにD2 v3サイズくらいを使ってください。RHELの利用料金込みで1時間あたり30円程度です。
Azure上で動かすRHELは、セキュリティ上の観点から原則 rootユーザーのパスワードを付与しません。一般ユーザーでログインしてsudoコマンドにて特権を取得できます。
[cloud-user@rhel7d2std ~]$ sudo fdisk -l Disk /dev/sda: 34.4 GB, 34359738368 bytes, 67108864 sectors Units = sectors of 1 * 512 = 512 bytes Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes Disk label type: dos Disk identifier: 0x000abaa3 Device Boot Start End Blocks Id System /dev/sda1 * 2048 1026047 512000 83 Linux /dev/sda2 1026048 67108863 33041408 83 Linux Disk /dev/sdb: 53.7 GB, 53687091200 bytes, 104857600 sectors Units = sectors of 1 * 512 = 512 bytes Sector size (logical/physical): 512 bytes / 4096 bytes I/O size (minimum/optimal): 4096 bytes / 4096 bytes Disk label type: dos Disk identifier: 0x6d001e9c Device Boot Start End Blocks Id System /dev/sdb1 2048 104855551 52426752 83 Linux
ちなみにfdiskコマンドを実行するとディスクが /dev/sda と/dev/sdb の2つ認識します。 2つ目の /dev/sdb は一時作業用の領域でRHEL の場合には /mnt/resource にマウントされます。デフォルトでは、このマウントパスにスワップファイルが作られます。 仮想マシンのサイズを変更したりすると中身がリセットされる領域なので理解した上でご利用ください。
パブリッククラウド上のRHELは試したくなった時に試して使わなくなったら消すことができます。うまく付き合っていきましょう。