Managed Red Hat OpenShift Platform比較

OpenStackやOpenShiftなどのCloud製品を担当しているソリューションアーキテクトの輿水です。

今更ですが、ちょっと初心に戻ってRed Hat OpenShift 製品を改めてご紹介します。当ブログでも既に紹介済で重複する内容もある点はご容赦ください。

ご存知ない方のが多数だと思いますが OpenShift YouTube Channel というものが存在しております。英語ではありますが頻繁にコンテンツがアップロードされており「OpenShiftとKubernetesの違い」「Hands-on demo」「GitOps Guide」などが公開されております。紹介ネタは数分程度のものが多いのでお時間の有る時に覗いてみてください。

Red Hat OpenShift 利用形態

「Red Hat OpenShift Everywhere」と謳うように、Red Hat OpenShiftは物理サーバー、仮想サーバー、プライベートクラウド、パブリッククラウド問わずにあらゆるクラウドで実行可能です。利用形態として、利用者自身が一から作り上げるものから、パブリッククラウドの一サービスとして提供されているものがあります。費用面を抜きにして手軽にお試しいただけるのは、パブリッククラウドに自分でクラスターを作成できるARO、ROKS、ROSAです。

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名称 管理 内容
Red Hat OpenShift Container Platform Self-Managed 利用者自身がOpenShiftをインストールして運用管理を行います
Red Hat OpenShift Dedicated Managed Red Hatが管理運営するOpenShift クラスターです。コンテナアプリケーションの開発および管理を実施できる環境を提供します。利用者は Red Hat と協業しながら要件や統合するツールを決定し、Red Hat が環境の実装とすべての管理を行います。AWSおよびGCPで利用可能です
Microsoft Azure Red Hat OpenShift (ARO) Managed Microsoftが提供し、Red Hat と Microsoftが共同でサポートするマネージドサービスで、Microsoft Azureで実行されます
Red Hat OpenShift on IBM Cloud (ROKS) Managed IBMがサポートするマネージドサービスで、IBM Cloudで実行されます
Red Hat OpenShift on AWS (ROSA) Managed Red Hat と AWS が 共同で管理し、共同でサポートするマネージドサービスで、AWSで実行されます

OpenShiftをユーザー自身が導入運用してアプリを公開するに至るまでには、サーバやストレージ、ネットワークだけでなくDNSやロードバランサーなど考慮する必要があります。図で表してみると青の部分がユーザーの責任範囲になります。フルマネージドの場合と比較すると構成要素とカバーする範囲が大きいことがわかると思います。

▼ユーザー自身がOpenShiftを導入運用する場合 f:id:mkoshimizu:20210701130642p:plain:w700

▼フルマネージドOpenShiftの場合 f:id:mkoshimizu:20210701130658p:plain:w700

Managed Red Hat OpenShift Platform 比較項目

そんなフルマネージドなサービスを比較してみようと思うのですが、Container RegistryやCI/CDツールなどのOpenShiftが提供する機能に差はなく、サポートや可用性も大きな差はありません。このブログで「AWS PrivateLink」の話もありましたが、AROでもROKSでも同様のプライベートクラスター構成は可能です。コントロールプレーンの構成はクラウドプロバイダー毎に特徴があります。

ほぼ差がない項目

  • 使用するアカウント:ユーザ自身のクラウドアカウント
  • 運用サポート:クラウドプロバイダーとRed Hatが共同で管理とサポートを行う
  • サポート時間:24x7
  • 可用性:複数の地域とゾーンの利用可能
  • SLA:99.95%(高可用性の構成の場合)
  • OpenShiftが提供する機能

クラウドプロバイダーで異なる項目

  • 提供されるOpenShiftのバージョン
  • サポートされる標準構成
  • 提供可能なPersistent Storage
  • CLI
  • バージョンアップのポリシー
  • クラスターのロギング・メトリクス
  • IdentityとAuth
  • セキュリティ/コンプライアンス

Managed Red Hat OpenShift Platform 費用と構成

各Managed Red Hat OpenShift Platformの費用感と構成について以下にまとめます。この他にストレージやネットワークなども従量課金されます。

Microsoft Azure Red Hat OpenShift (ARO)
  • 最小構成
    • マスターノード×3
    • ワーカーノード×3

・最小構成の費用(時間)

ノード インスタンスタイプ 台数 インスタンス料金 OpenShift料金
マスターノード D8s v3 3 $0.44/hour × 3 - -
ワーカーノード D4s v3 3 $0.22/hour × 3 $0.171/hour ×3 -
1時間あたりの使用料金 $1.98$/hour $0.513/hour $2.493/hour

▼マルチゾーン構成

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Red Hat OpenShift on IBM Cloud (ROKS)
  • 最小構成
    • ワーカーノード×2

・最小構成の費用(時間)

ノード インスタンスタイプ 台数 インスタンス料金 OpenShift料金
ワーカーノード 4 vCPU 16GB RAM 仮想 - 共有 2 $0.44/hour ×2 -
1時間あたりの使用料金 $0.88/hour $0.88/hour

※「IBM Cloud Pak」を所持している場合はOCP license entitlementを含んでいるので、それを適用することが可能で、料金体系が変わります。

▼シングルゾーン構成

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▼マルチゾーン構成

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Red Hat OpenShift on AWS (ROSA)
  • 最小構成
    • マスターノード×3
    • インフラノード×2
    • ワーカーノード×2

・最小構成の費用(時間)

ノード インスタンスタイプ 台数 インスタンス料金 OpenShift料金
コントロールプレーン $0.03/hour -
マスターノード m5.xlarge 3 $0.248/hour × 3 - -
インフラーノード r5.xlarge 2 $0.304/hour × 2 - -
ワーカーノード m5.xlarge 2 $0.248/hour × 2 $0.171/hour ×2 -
1時間あたりの使用料金 $1.848/hour $0.372/hour $2.22/hour

▼シングルゾーン構成

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▼マルチゾーン構成

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* 各記事は著者の見解によるものでありその所属組織を代表する公式なものではありません。その内容については非公式見解を含みます。