Managed OpenShiftサービスのワークショップコンテンツ

Red Hatの小島です。
OpenShift Advent Calendar 2022の4日目の記事として、Managed OpenShiftサービスのワークショップコンテンツをご紹介します。

Managed OpenShiftサービスとは

Red Hatがクラウドプロバイダーのパートナーと連携して提供するサービスです。セルフマネージドのOpenShift環境とは異なり、OpenShiftおよびOpenShiftがベースとしているKubernetes環境に必要となるハードウェア/ネットワーク/ストレージ/OSの運用や構築を、Red Hatとクラウドパートナーが肩代わりします。Managed OpenShiftサービスには、Red HatのSRE(Site Reliability Engineering)チームが大きく関わっているものがあり、それらの中には、従量課金系のOpenShiftクラウドサービスとしてRed Hat OpenShift Service on AWS (ROSA)や、Azure Red Hat OpenShift(ARO)があります。

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ROSAやAROといったManaged OpenShiftサービスには利用者との責任分担マトリクスが定義されており、利用者は主に次の項目の管理を担当します。

  • ユーザー管理 (外部の認証プロバイダとの連携設定)
  • ユーザーアプリケーションの開発/運用/ロギング/データ管理
  • クラウド環境のストレージ/ネットワークを利用するための設定
    • OpenShiftでのストレージクラスの設定やクラウド環境のプライベートネットワークの設定
  • ユーザーコンテナを実行するコンピュートノードの使用率監視
  • コンピュートノードの追加/削除/ラベル付加の実行指示
  • OpenShiftクラスターのアップグレードの実行指示
    • アップグレード失敗時の復旧作業は、Red Hatやクラウドプロバイダーが担当
  • 問題調査に伴うプラットフォーム監査ログ(audit.log)の要求
    • OpenShiftクラスタやクラウド基盤のロギングは、Red Hatやクラウドプロバイダーが担当。利用者の要求に応じて、Red Hatやクラウドプロバイダーが、利用者に監査ログを随時提供。

Managed OpenShiftサービスでは、OpenShiftクラスターのロギング/モニタリング、障害対応や復旧作業、キャパシティ管理、コントローラーノード/コンピュートノードの運用保守、クラウド環境のストレージやネットワーク払い出しなどについては、Red HatのSREチームやクラウドプロバイダーが担当します。それにより、利用者がアプリケーションの開発や運用に集中できるようにしています。

Managed OpenShiftサービスでは、Red Hatやクラウドプロバイダーによってサービス仕様が定義されており、サービス仕様に関わるようなOpenShiftやクラウド環境の各種設定については、利用者が変更することをサポートしていません。具体的に言うと、コンピュートノードの設定変更やOpenShiftのcluster-admin権限(OpenShiftクラスターのスーパーユーザー権限)でできること(kube-*, openshift-*プロジェクトにあるOpenShiftコアコンポーネントの変更など)、などが実施できないまたはサポートされないようになっています。サービスの基盤部分をカスタマイズして利用したい場合は、セルフマネージド形態のOpenShift環境の利用を推奨しています。

こうした特徴を持つManaged OpenShiftサービスは、特にコンテナアプリケーションの開発/デプロイが可能な環境を、セルフサービスで作成して利用することに興味があるアプリケーション開発/運用チーム向けのサービスであると言えます。

Managed OpenShiftサービスのワークショップコンテンツ

Red HatのSREチームが大きく関わっているROSAやAROについては、有償サービスを利用可能なAWS/Azureアカウントがあれば、すぐに試してみることができます。試すにいたり、アプリケーション開発/運用チーム視点で意識すべき内容をまとめたコンテンツをWeb上で公開していますので、これらを参考にしてみてください。ROSA/AROについて、どのようなサービス仕様が定義されているか、どのような利用イメージになるか、が分かる内容になっています。

h-kojima.github.io

h-kojima.github.io

上記のワークショップコンテンツについては、Red Hatのパートナー様向けの技術情報習得を支援するための「Red Hat Partner Enablement Japan」でも、ハンズオン付きのワークショップとして定期的に実施しています。こちらではOpenShiftだけでなく、Red Hatの様々な情報を取り扱っていますのでチェックしてみてください。

redhat-open.connpass.com

また、このハンズオン付きワークショップについては、ご要望次第で個社向けにも開催しています。ご興味がありましたら、Red Hatの担当営業や下記のフォーム(「追加情報」記入欄に、「赤帽ブログで見た個社向けROSA/AROワークショップについての詳細を希望」などをご記入ください)からお問い合わせください。

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* 各記事は著者の見解によるものでありその所属組織を代表する公式なものではありません。その内容については非公式見解を含みます。