Operatorを使ってOpenShiftへPAMをデプロイしてみよう

レッドハットのソリューションアーキテクトの森です。
今回は、Operator を使って、Process Automation Manager を OpenShift へデプロイする方法について解説をしていきます。

PAMとOpenShiftについては、以下のバージョンのものを使用しています。

  • Process Automation Manager : 7.10
  • OpenShift Containar Platform : 4.7

インストーラーウィザードを使用したデプロイ

まずは、Openshift に Operator をインストールしていきます。

OpenShiftのコンソール画面にログインをしたら、まずはPAMをデプロイする Project を作成しましよう。 ここでは、pam-demo という名称で作成していきます。

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プロジェクトを作成したら、左のメニューから Operators -> OperatorHub を選択します。

OperatorHub のカタログの中から、Business Automation を選択してください。 テキストボックスのフィルタに business とすると探し易いと思います。

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2021年3月時点での最新版は、7.10.0-2 です。 間違いがなければ、 Install ボタンを押してください。

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Install Operator の画面が開いたら、Installed Namespace に先ほど作成したPAMをインストールするProject名になっていることを確認します。 他はそのままで、下部の Install ボタンを押してください。

Operatorのインストールが完了すると、下記の画面が表示されます。

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Operator のインストール完了後、中央に表示された View Operator のボタンを押すか、 左のメニューから Operators -> Installed Operators を選択し、Business Automation をクリックします。

Business Automation の Operator の詳細画面右側の、 Installer の URL をクリックします。

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別画面が開きますので、中央の Log in with Openshift をクリックし、 再度、OpenShiftの認証情報でログインをします。

下記の画面が表示された場合は、Allow selected permissions を選択してください。

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Business Automation の インストーラーウィザードが開きますので、必要な事項を入力していきます。

Application name (必須) OpenShift アプリケーションの名前を入力します。この名前は、すべてのコンポーネントのデフォルト URL で使用されます。 ここでは、rhpam7 としておきます。

Environment (必須) 環境のタイプを選択します。こちらで選択したタイプをベースにして、インストーラウィザードより他の設定をカスタマイズしていきます。 詳細については、こちらのドキュメント: 環境の基本設定の構成 を参照してください。

ここでは、 rhpam-authoring を選択します。

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Admin user Username と Password を入力します。 PAM の管理者ユーザーのユーザー名およびパスワードになります。

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最低限の設定ですが、以上でデプロイする準備ができました。

インストーラーウィザードの下部の、 View YAML をクリックすると、 実行するYAMLの内容を確認することができます。

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確認後、 インストーラーウィザードの下部の、 Finish をクリックし、 Deploy をボタンを押して実行してください。

OpenShiftのコンソール画面に戻り、Developer View に切り替えて、Topology 画面を選択します。 Business Central と、 KIE Server のデプロイが実行されているので、3分ほど待ちます。 白丸から青丸に変わると、デプロイ完了です。 その後、Business Centralの円の右上の矢印マークをクリックしてください。

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Business Central のログイン画面が表示されますので、インストーラーウィザードで入力したユーザー名とパスワードを使用してログインします。

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環境を定義した yaml を使用したデプロイ

次に、yaml を使用して、Operator で PAM/DM をインストールする方法をご紹介します。 ここでは、OpenShift CLIツール を使用していきます。

まずはPAMをインストールする Project を作成していきます。 先ほどと同様に、pam-demo という名称で作成をします。

$ oc new-project pam-demo

次に、作成したProjectへ、Operator をインストールします。

下記のコマンドをターミナルより実行してください。 なお、${NAMESPACE} は、先ほど作成したプロジェクトの名称に置き換えて実行してください。

cat <<EOF | oc apply -f -
apiVersion: operators.coreos.com/v1
kind: OperatorGroup
metadata:
  name: businessautomation
  namespace: ${NAMESPACE}
spec:
  targetNamespaces:
  - ${NAMESPACE}
---
apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
kind: Subscription
metadata:
  name: businessautomation-operator
  namespace: ${NAMESPACE}
spec:
  channel: stable
  name: businessautomation-operator
  source: redhat-operators
  sourceNamespace: openshift-marketplace
EOF

実行されると、以下のような出力が表示されます。

operatorgroup.operators.coreos.com/businessautomation created
subscription.operators.coreos.com/businessautomation-operator created

Operator が正常にインストールされているかを確認するには、下記のコマンドを実行してみてください。

$ oc get operators

出力例

NAME                                      AGE
businessautomation-operator.pam-demo      171m

次に、PAMのデプロイをします。 先ほどインストーラーウィザードで作成したものと同じ yaml でデプロイをしてみましょう。 下記のコマンドをターミナルより実行してください。

cat <<EOF | oc apply -f -
apiVersion: app.kiegroup.org/v2
kind: KieApp
metadata:
  name: rhpam7
spec:
  environment: rhpam-authoring
  commonConfig:
    adminUser: admin
    adminPassword: admin
EOF

実行されると、以下のような出力が表示されます。

kieapp.app.kiegroup.org/rhpam7 created

これで、Operator を通してPAMのデプロイが開始されます。 インストールの進行状況については、次のコマンドで確認してみてください。

$ oc get pods

出力例

NAME                                            READY   STATUS      RESTARTS   AGE
business-automation-operator-5d5b87475b-lmdln   1/1     Running     0          14m
console-cr-form                                 2/2     Running     0          14m
rhpam7-kieserver-1-deploy                       0/1     Completed   0          3m35s
rhpam7-kieserver-1-zjzm2                        1/1     Running     0          3m32s
rhpam7-rhpamcentr-1-deploy                      0/1     Completed   0          3m35s
rhpam7-rhpamcentr-1-w8dsh                       1/1     Running     0          3m32s

Business Central へアクセスするURLは、下記のコマンドで調べることができます。

$ oc get route

出力例

NAME                HOST/PORT                                                                  PATH   SERVICES            PORT    TERMINATION            WILDCARD
console-cr-form     console-cr-form-pam-demo.apps.cluster-57e9.57e9.sandbox106.opentlc.com            console-cr-form     <all>   reencrypt              None
rhpam7-kieserver    rhpam7-kieserver-pam-demo.apps.cluster-57e9.57e9.sandbox106.opentlc.com           rhpam7-kieserver    https   passthrough/Redirect   None
rhpam7-rhpamcentr   rhpam7-rhpamcentr-pam-demo.apps.cluster-57e9.57e9.sandbox106.opentlc.com          rhpam7-rhpamcentr   https   passthrough/Redirect   None

rhpam7-rhpamcentr のURLを用いて、ブラウザからBusiness Centralへログインすることができます。 yaml に記述した管理ユーザー名とパスワードを使ってログインをしてください。

Operator を使用してデプロイした環境の変更

Operator を使用してデプロイした場合は、デプロイした環境の変更を行うには、KieApp の yaml 変更する必要があります。 KieApp のyamlソースは、以下のコマンドから確認することができます。 ${APPLICATION_NAME} は、インストール時に指定した Application name に置き換えて実行してください。

$ oc get kieapp ${APPLICATION_NAME} -o yaml

また、より詳細な設定を行いたい場合は、カスタムリソースから変更を行うことも可能です。 カスタムリソースの内容は、以下のコマンドから確認をすることができます。

$ oc get crd kieapps.app.kiegroup.org -o yaml

* 各記事は著者の見解によるものでありその所属組織を代表する公式なものではありません。その内容については非公式見解を含みます。