Ansible サポートエンジニアとして入社後3ヶ月の振り返り

Red Hat の杉村です。8月1日に Ansible の TSE (Technical Support Engineer) として入社しました。

入社後には12週間のカリキュラム (90 day onboarding plan) が組まれていて、サポートエンジニアとしては未経験だったわたしでもうまく立ち上げてもらえる仕組みが整っていました。もうすぐ終わりですので振り返ってみようと思います。

Week 1

  • 同僚とランチ!
  • 業務で使うPCやツールのアカウント設定
    • チャットツール
    • チケットシステム
    • AWS
    • GitHub
  • e-learning で心構え系のトレーニングやオリエンテーション
  • チケットの対応業務のワークフロー
  • Ansible Tower のインストール (いきなりか!)
  • Ansible Tower のアップデート
  • Ansible Tower の e-learning course DO409の受講 https://www.redhat.com/ja/services/training/do409-automation-ansible-ii-ansible-tower

わたしは7月までしばらく仕事をしていませんでした。 あまりにも速いペースでタスクが詰め込まれているので、不安でいっぱいでした。

Week 2

  • Ansible Tower のトレーニング
    • 検証環境でのオンライントレーニング
    • 自分でAWSに構築してタスクをこなす
      • ロゴの変更
      • Credentials
      • Inventory
      • クラスタとしてのインストール
      • isolated ノードを立てる
      • メールやSlackへの通知
    • やった内容をインドのエンジニアさんに見てもらう (テレビ会議で画面を見せながら)

英語がほとんどできないわたしにとって、技術的なところよりも英会話でやったことを伝えるのがとても緊張しました。入社前の採用面接でもお話した方だったのですが、優しい方でよかったです。基本的にみなさん優しい方ばかりです。

Week 3

  • Ansible Tower のトレーニング
    • 認証 (LDAP、SAML、GitHub、Google Account)
    • ロギングツールとの連携 (Splunk、Logstash)

認証システムとの連携はよく問い合わせを受けます。 いろいろな状況を想定して組んでいくのが楽しかったです。

Week 4

  • チケットを取り始める
    • 問題の把握
    • 回答案を作成してレビューを受ける
    • クローズまで責任をもってやりとりする
  • KCS (ナレッジベース) で公開するナレッジの執筆
  • Ansible Engine のトレーニング
    • Windows関連のモジュール
  • Ansible Tower 3.3 リリース前のトレーニング
    • OpenShift での動作検証
    • Python VirtualEnv での複数 Ansible Engine の動作検証

サポートエンジニアとしての第一歩を踏み出しました。 お客様の困っていることを正確に把握し、何を解決してあげればいいのか、それをどう伝えればいいのかということについて深く考え始めることとなりました。 単にドキュメントを探してきてはいどうぞというわけにはいかず、個別にきちんと手元でも問題を再現してから解決に導くという姿勢をチームメンバーから学びました。

Week 5

  • Ansible Tower のトレーニング
    • Survey (対話的にパラメータを渡す機能)
    • Provisioning Callback (Linux/Windowsそれぞれ)
  • Ansible Engine のトレーニング
    • AWS関連のモジュール
    • VMware関連のモジュール
  • チケット対応

30日経ってマネージャさんとの面談がありました。2週間に1度お話をしています。 あっという間の1ヶ月でした。

Week 6

RHEL の基本的な操作を認定してもらうための資格である RHCSA を受けて、ギリギリではありましたが合格できました。 Red Hat ではこういう資格のトレーニングや認定試験を無料でいくらでも受けられる仕組みが整っています。トレーニングは e-learning でテキストを見たり、実機にログインして設定を試したりということが自由にできるようになっています。

Week 7

チケット対応もまだ全部レビューを受けながらではありますが、少しずつ進められるようになってきたのがこの頃です。 お客様の問い合わせからバグが見つかり、開発チームに GitHub でチケットを起票したりなど、これまでの OSS に関わってきた経験がようやく生きてきました。

Week 8

  • Ansible Tower のトレーニング
    • APIの検証
  • チケット対応
  • ナレッジの執筆

Ansible Tower は情報の取得や操作などのために API を提供しています。 https://docs.ansible.com/ansible-tower/latest/html/towerapi/index.html

実際に REST でやりとりする Python プログラムを作って、10ほどのユースケースについてAPIを実行して動作を見ていました。

Week 9

  • チケット対応
  • ナレッジの執筆
  • sosreport について

トレーニングの項目も減ってきました。 次第に本来の業務であるチケット対応とKCSの執筆の比重が多くなってきています。 まだまだ一人で返すのは難しく、レビューしてもらってから丁寧に返しています。

チケットは緊急度に応じてSLA (Service Level Agreement) として4段階に応対時間が決まっていて、チケットシステムで各チケットの残り時間が一覧で見えるようになっています。我々サポートエンジニアは、その時間に追われて業務を進めています。

Week 10

入社オリエンテーションは3ヶ月に一回しかないため、8〜10月に入社した人はこの週のオリエンテーションに参加することとなりました。 赤い帽子をもらいました ^^

Week 11〜12

  • チケット対応
  • ナレッジの執筆
  • 目標設定

この頃になるともうトレーニングはなくなり、少しずつ自分でもチケットを返せるようになってきました。

Ansible のサポートエンジニアは世界中のいくつかの拠点のチームで一緒になって動いています。みなさん時間帯が違いますので、午前中でも夕方でも夜でも、出勤してきたら “Good morning!” とやりとりしてます。昼食で抜けるときや業務終了のときも挨拶し合って、気持ちよく仕事をしています。

チケットに対する議論も特にロケーションに関係なく、そのときにいるメンバーで話し合っています。英語で議論をするのも少しずつではありますが慣れてきました。

サポートエンジニアとしてそろそろ3ヶ月になります。 先にも書きましたが、問題を正確に再現して解決策を見つけ、的確にお客様の問題の解決に導くのがとても難しいのですが、楽しいことでもあります。Ansible Tower や Ansible Engine はさまざまなシステムと連携して動作しますし、操作対象はサーバやネットワーク機器、クラウド環境など多岐に及びます。日々学ぶことが多く、これまでの経験も活かせる仕事でもあり、入社してとてもよかったと思っています。

長くなりましたが、サポートエンジニアの仕事の雰囲気や Ansible の魅力について、少しでも伝わったらと思います。

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* 各記事は著者の見解によるものでありその所属組織を代表する公式なものではありません。その内容については非公式見解を含みます。