はじめに
本記事は、OpenShift Advent Calendar 2024 の12月23日の記事です。
皆様、こんにちは!
レッドハットのミニチュア工場の工場長、大塚から情報をお届けします。
出展: イラストや
レッドハットでは、オフィスにミニチュア工場を導入し、IT(情報技術)とOT(運用技術)の技術を融合した便利なソリューションを創出していきます。
実際に工場が動いている様子など、詳細は以下の記事をご参照ください。
ご挨拶
レッドハットのミニチュア工場、工場長の大塚と申します。
普段は、製造業のお客様を中心にプリセールス活動をしています。
ハードウェアや Edge が大好きなことがご縁となり、工場長をやらせてもらっています。
ミニチュア工場を題材とした情報やメンテナンス方法なども発信していきますので、どうぞよろしくお願いします。
ミニチュア工場とは
ミニチュア工場は、ドイツ発祥の fischertechnik 社が提供している、実際の製造現場で利用されている制御機器 (PLC:プログラマブル・ロジック・コントローラ) を接続し、リアルな生産ラインをレゴブロックで忠実に再現したものです。
見た目にインパクトがあり、精巧に作られたミニチュア工場は、大人から子供まで思わず足を止め、興味津々でじっくり見てくれます。 動きのある仕組みやリアルな制御システムが、製造業の魅力やテクノロジーへの好奇心を引き出し、イベントや展示会でも大きな注目を集めています。 イベントでの展示をきっかけに、多くの方々がミニチュア工場の魅力に引き込まれ、実際に購入される企業様も増えたと感じています。
ミニチュア工場
PLC
ミニチュア工場のコンセプト
ミニチュア工場は、単なる「簡単・すぐにできる」といったお気軽なアイテムではなく、工学の基礎や製造技術を深く学ぶための高度な教育商材です。リアルな生産ラインを模した構造やメカニズムが搭載されており、組み立てやメンテナンスを通して実践的な知識や技術を習得できます。
組み立ての説明書が存在しないため、部品が外れたり緩んだりした場合、自ら考え、試行錯誤しながら解決策を見つける必要があります。この過程で、単に手を動かすだけでなく、論理的思考力や応用力、創造的なアイデアが自然と養われます。さらに、現場さながらの問題解決を繰り返すことで、実際の製造現場で求められる課題解決能力や耐久性のあるエンジニアリングスキルが身につきます。
このように、ミニチュア工場は単なる学習ツールにとどまらず、次世代のエンジニアや技術者の育成、さらにはリーダーシップやチームワークの向上にも貢献する、非常に価値のあるものと感じています。
ミニチュア工場の利用価値
ミニチュア工場は、製造現場のトレーニングツールや教育コンテンツとしての活用はもちろん、社内の啓蒙活動や技術展示会でのデモにも最適です。さらに、IoTやエッジコンピューティング、AI技術の導入シミュレーションとしても利用でき、現場改善や新技術の検証を効率的に行えます。
また、顧客向けプレゼンテーションや技術研修でのデモを通じて、スマートファクトリーの概念や自動化技術の魅力を直感的に伝えることができ、社内外の理解促進や技術浸透に大きく貢献できると感じています。 特に実物を利用したデモは非常に効果的で、資料だけでは伝わりにくい部分やモヤモヤを解消してくれると思います。
ミニチュア工場のメンテナンス
ミニチュア工場は、動かせば動かすほど実際の製造現場さながらのメンテナンスが必要になります。 特に、摩耗しやすい箇所や可動部分には、定期的にシリコンスプレーを吹き付けて、スムーズな動きと長寿命化を維持する必要があります。 シリコンスプレーは、潤滑性が高くゴミやホコリが付着しにくいため、頻繁に稼働させるミニチュア工場に最適です。
一方で、グリスを使用すると、時間が経つにつれ固形のゴミやホコリを巻き込んでしまい、動作不良や部品の劣化を引き起こす可能性があります。そのため、シリコンスプレーによる定期的なメンテナンスが推奨されています。
こうしたメンテナンスを行うことで、機械工学の基礎や保守管理の重要性を体感し、実際の生産現場で必要とされる運用スキルや問題解決能力が自然に身につけることができます。
先日、Edge Tech+ 2024 のイベントに出展した際、オフィスから現地へ移動した後、ミニチュア工場の搬送用アームが途中までしか動かないトラブルが発生しました。 その際は、部品の調達が間に合わなかったため、瞬間接着剤を使用して復旧を試み、なんとか場をしのぎました。 (瞬間接着剤を使用する際は、爪楊枝の先端に液体を少量付け、バリが発生しないよう注意しないと、アームが完全に動かなくなってしまうため、細心の注意が必要です!)
このような経験を積むことで、臨機応変な対応力や、どんな状況でも「何とかする」という強い気持ちも鍛えることができます。
まとめ
本稿では、レッドハットがミニチュア工場を導入した背景や、活用方法についてご紹介しました。
ミニチュア工場は、製造業のリアルな課題やソリューションを体感できるだけでなく、エッジコンピューティングや自動化技術、AI連携の可能性を視覚的に理解できる教育・デモンストレーションツールとしても非常に効果的です。
「実際に見てみたい」「動かしてみたい」と感じた方は、ぜひレッドハットのオフィスへお越しください!
次回は、最新の画像AI技術を組み込んだミニチュア工場へとアップデート予定です。AIによるリアルタイム検品や異常検知など、より高度なスマートファクトリー体験を創出いたしますので、どうぞご期待ください!