Recap: OpenShift Commons Gathering Japan 2021 (vol.3)
2021年12月に閉幕した 「OpenShift Commons Gathering Japan 2021」。
前回の第二回目では「コンテナ導入の成功要因は自己完結型の運用体制」と題して、レッドハットからみるコンテナのグローバル市場を振り返りました。
最終回となる今回は、コンテナビジネスにおけるRed Hatのこれからの目指す姿をお送りします。
Red Hatが目指す「プラットフォーマー」
いまやビジネスの根幹を支える多くのエンタープライズ企業は、迅速に安定したサービスを提供するためのひとつの手段として「コンテナ」を選択しています。これまでの仮想化技術では移行するとある程度のリソースコスト圧縮が期待されましたが、コンテナ技術へ移行してもリソース集約に直結するわけではありません。
これまでの記事でもお伝えしたように、運用そのものをシステムの自動化に任せ、サービス開発に専念できる体制を作ることがコンテナのメリットでした。
これらの観点からすると、これからのビジネス開発ではより「開発」にフォーカスすべきであり「運用」はどんどん自動化、標準化に委ねられることが望ましいあり方です。
OpenShift自身もどんどん運用を任せるスタイルに移行するため、主要なクラウドプロバイダーではマネージド環境が提供されています。
こうしたマネージドな環境を利用し、よりビジネスにフォーカスできることがこれからのプラットフォームの姿であり、Red Hatはそのプラットフォーマーを目指しています。
コンテナの次に提供するサービス
OpenShiftの利用企業がよりビジネス開発にフォーカスするためには、Red Hatのサービス提供のあり方も変えていかなければいけません。
コンテナが普及するとともに各企業のサービスは一つのモノリシックなサービスで構成されるのではなく、複数のサービスをつなぎ合わせて成り立っていきます。したがって、サービス間の連携やリアルタイムのデータの受け渡しといった機能が新たに求められます。
これらを開発者が運用をしていくことは負担に繋がります。Red Hatはそれらを見越して、OpenShift上のマイクロサービスを補助するコンポーネントを今後OpenShiftのマネージド・サービスにアドオン(OpenShift Managed Cloud Services)して提供していきます。
代表的な「OpenShift Managed Cloud Services」をみてみましょう。
Red Hat OpenShift Streams for Apache Kafka
OpenShift上にApache Kafkaをボタン一つで構築し、リアルタイムデータストリームの作成、検出、および接続を提供するサービスです。マイクロサービス間のデータ連携だけにとどまらず、データストリームを活用することによって、イベント駆動型およびデータ分析アプリケーションが実装できます。
Red Hat OpenShift Data Science
データサイエンティストに、JupyterLabを始めとした機械学習モデル開発のサンドボックス環境を提供するサービスです。このサービスを利用することにより、機械学習モデルの開発、トレーニングおよびテスト、およびモデルのデプロイが可能です。
新たなクラウドプロバイダーとしてのRed Hat
OpenShift上に展開されたマネージドサービスを利用することによって、開発者、またはサービス提供チームだけでサービスが運用できる世界が作れるようになると、よりアジリティの高いシステム開発につながるとも言えます。Red Hatは既存のクラウドのようにData CenterをもってIaaSは提供していませんが、どこのインフラにも依存しないサービスを提供することを目指しています。
これがRed Hatの製品戦略の根幹である「Open Hybrid Cloud」です。
Red HatはOpen Hybrid Cloudという戦略を掲げ、XaaS(Anything as a Service)という世界を創りながら、各企業がビジネスにフォーカスできる環境を提供し続けていきます。
今後もこれらの使命を全うするため、OpenShiftをコアに戦略を掲げていきます。
まとめ
さて、3回に渡ってお送りしたOpenShift Commonsのセッション紹介いかがだったでしょうか?
先行している企業が、どういったビジネス価値を求めてコンテナを活用しているのかが少しでもお伝えできていれば幸いです。そしてRed Hatも日々挑戦し続け、RHELのコアな技術要素を最大限活かしながら、次世代のプラットフォームであるOpenShiftを主軸に今後も皆様のビジネスを支え続けていきます。
Red Hatのコンテナ導入ノウハウを提供「Container Adoption Journey」
Red Hat自身もコンテナ導入の先駆者から多くのノウハウを学び続けています。こうしたノウハウを標準化していき、ツールの力だけでなく利用者の開発プロセスやチームの見直しを支援するContainer Adoption Journey(CAJ)というサービスを提供しています。
グローバルにおける導入事例や、SI文化が根強い日本の運用体制から得られた知見をもとに、どのようなステップでコンテナを導入すればよいのか?という疑問に答えつつ、各社の状況に合わせたコンテナ導入のサービスです。
詳しくは上記セミナーで紹介されますので、こちらもぜひご参加ください。
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OpenShift Commons Gathering Japan 2021は特設サイトにてログイン無しで動画、資料の無償配信をおこなっています。
今回ご紹介したキーノートセッション(57:24~)も是非お楽しみください!!
本ブログはSolution Architect 北山よりお送りしました。